2022/07/26

ディズニーのフェアリー人形をリペイント

  

ガソリン高騰でお出掛けもままならない今、ドールのリペイントが最安で最大級の娯楽なので、毎週フリマでリペイント用の中古ドールを一体は練習用に手に入れる事にしました。選ぶポイントは、フェイス・プリントを替えればそこそこ可愛くなれそうな形成型の顔で、植毛技術は無いから髪は許せるコンディションで、また顔に酷い変色やペンのインク等の染み(子供の古玩具には多い)のない人形です。

その日のフリマで見掛けた中古人形は、相変わらずバービーかディズニーの姫人形、または例の激安系人形ばかりで、リぺしてみたいと思えるドールが中々見付かりませんでした。着せ替え人形を多く扱うストールには、熱心に選んで長居する子供or母娘客も多い為、中々割り込む隙がなく(流石に…)、良い獲物を逃してしまう例もあります。

その日は最後の最後に、このディズニーのフェアリー人形を買う事にしました。買った決め手は、欧米のファッション・ドールにしては珍しく丸顔で瞳の位置も下目な事、そして欧米の1/6ドールには珍しくハイティーンではなくローティーンがモデル(身長23cm)な事です。値段は1.5ポンドで、1ポンドにすら負けてくれなくて(売り主の孫娘の希望らしい)、フリマの中古人形、しかもリぺの実験台にしちゃ安くないと思いましたが、オリジナルのアウトフィットも着ていて状態も悪くなく、チャリティショップと比べれば手頃な値段なので最終的に買いました。

尖り耳系で、私にとっては初の人外人形のリぺです。ピーター・パンのディズニー独自の(と言うか勝手な)スピンオフ作品に登場する、ティンカーベルの友達人形の一人であろうと言う事は、ディズニーに全く興味がなく疎い私でもすぐに分かりました。

オリジナルのアウトフィットと言っても、どうしようもない安っぽさなんですが、このバラのプリント&プラ製のバラ・モチーフから、彼女の名前はロゼッタと言う事は分かりました。背中には、ベロクロ・テープで羽根が取り付けられていたようです。確かにティンカーベルの友達の一人で、もしかしたらティンクや他の友達と一緒にセット売りされていたのかも知れません。ボディは顔に対して結構バランスが良く、上半身が細目で腰は張っていて、どちらかと言うとピュアニーモSボディに似ていますが、あれ程手足がむっちりはしていません。足先は、バービー以上に爪先立ちの形です。可動域は、今時のアメリカのファッション・ドールで一番一般的な、肘膝は曲がらないけど腕脚は開く、首は傾ける事が出来るのみだと思っていました。が、オリジナル服を取り去ってみたら、momokoやオビツ・ボディのように胸下に切り替えジョイントがあるのは意外でした。

家に帰ってから少し髪を整えてみると、恐らく1/6サイズのファッション・ドールとしては初めて見る富士額が現れました! 実はこの富士額出しの髪型が、ロゼッタのデフォルトだそうです。髪色は、赤と焦げ茶色のメッシュ。オリジナルのアイプリは悪くなく、アメリカ・デザインのドールとしてはまあまあ可愛く、少なくともアニメのキャラ絵自体よりは相当可愛く、正直即効直したいと思う程好みじゃないのは、リップの色とオープン・マウス(これを直すのは無理)だけです。

アミェェーリカンな明るい笑顔に、妖精のはかなさや神秘性は微塵も感じられなかったので、少しでもミステリアスさを出す為、瞳の虹彩は薄目の色にしました。型押しの口が大きく開いている為、やはりオープン・マウスは無視出来ず、いやいやながら歯も描き入れました。それでこう仕上がりましたが、やっぱり未だどう見てもディズニー顔なんだよなあ…と少々がっかり。私の場合、ドールのリぺやカスタムは、雰囲気がガラリと変わった方が寄りやり甲斐を感じるから、今回は正直言って余り楽しくありませんでした。

リぺしたドールに服を作る際、予めリぺする前に目指すスタイルのイメージを決めて、それに合わせて彩色する事もありますし、リぺが仕上がってから顔に似合って映えそうなアウトフィットを考えて拵える事もあります。今回の場合は後者で、リぺの仕上がりを見てから服をデザインしようと考えていましたが、余りにディズニー過ぎて、仕上がったリぺを見ても中々着せたい服のイメージがまとまりませんでした。

出来ればやはり尖り耳を生かして妖精の格好をさせたいとは思いましたが、この子の髪色は強過ぎて夢可愛い雰囲気が合いそうもなく、元々のキャラのイメージであるはずのバラも合うようには見えませんでした。どちらかと言うと、同じ妖精でもfairy フェアリーではなく、 elf エルフpixie ピクシーの方が相応しいと思い、最終的にピクシーの格好をさせる事にしました。

髪型はツインテで子供らしく元気いっぱいな雰囲気にし(しかし長さが不揃いな為三つ編みは無理だった…)、すると赤毛の為か長靴下のピッピを連想させるので、ボーダーのニーハイが似合う格好をさせたいと思いました。二つ分けにすると、植毛がそれ用に作られていない為に分け目にハゲが出来てしまいますが、現在の西洋のファッション・ドールの多くは、地肌が髪色にペイントされている為に余り目立ちません。

バービーの足より更に過激な角度の、爪先立ちしか出来ない足がどうにも不便で、お湯で矯正する手段とかはないかいなと検索しましたが、流石にそんな強引な事を考える人はいないようでした。

顔色がヘンに地黒と言うか…、現在のマテル社のドールに良く有る事で、顔のソフビの素材自体が妙に青ずんでいて汚い色なんですよね。顔の型もボディとのバランスも良く、特に手の平の形は抒情的で中々素晴らしいのに、勿体無いと思いました。

何はともあれ、庭の花々に馴染む雰囲気のドールにはなってくれました。
 

2022/07/25

春のアーディングリーのアンティーク・フェア 4

 

四月に訪れた今年最初のArdingly アーディングリーのアンティーク・フェアでは、Shopping Arcadesと呼ばれる天蓋付き会場と、その周辺の南東の屋外会場を最後に見て回りました。

このShopping Arcadeは、値段的には概ね前出のJebilee Hallより強気な程です。

アンティークと言うよりはビンテージの、センスの良いアイテムが集まっているのは確かで、見ては楽しめます。

言ってしまえば、アーティスティックな拘りのある店が多いと思います。

布類も集中していますが、値段的に買う気の起きた試しはありません。

大好きなポーランドの木製人形ちゃん達は、三つ揃った服装の色合いもばっちり決まっています。やはり、この辺では一体14ポンド位が相場です。

ミルク缶にトールペイントを施すのは、西洋では良く見掛けるアイディア。 

アーツ&クラフツらしい重厚な戸棚。その手前には、相当古いサンプラーが集まっています。
大きな壺が迫力のストールは、多分イタリアからの出店と思われます。

ピザ用窯も販売しています。弟がピザ好きで、以前庭にピザ用窯を設置したいと考えていましたが、日本では耐火用レンガが凄く高いらしくて諦めました。

ピザ用窯を販売しているとなると、これはきっとピザ用の棚ですね。

別のストールで。繋げると一枚の図案になる、ステンドグラスの小さな窓。

多分、オーストリア等ドイツ語圏のランプシェード。すなわち、チロリアン・カントリーです。

用途不明の巨大カトラリー。10歳児の身長近くあります。

この恐らくドイツ製のビンテージ布は、柄が正に好みの直球ど真ん中でした。アイテム的にはペアのカーテンで、値段を聞くと28ポンドとの事で諦めました。価格的に自分にとっては結構贅沢と言うだけでなく、ペアの厚手のカーテンでは、非常に嵩張って収納場所に困るから。テーブルクロスで10ポンド以下だと、理想的なんですけど。

全部ストールを見終わり、今回も午後二時位には会場を去りました。ガソリン高騰で遠出出来ない代わりに、身近な場所の最大の娯楽としてやって来たアーディングリーのアンティーク・フェアでしたが、この頃は今に比べたらガソリンの値段が未だずっと低く、その時の内にお出掛けしておくべきだったのではと思う程です。と言う訳で、今月もまたアーディングリーのアンティーク・フェアへ行きました~。

 

 




2022/07/24

クリア・ラインストーンの帆船のブローチ

 

ここ数年イギリスから母へ送るプレゼントは、出来るだけ食べ物、すなわち消え物にしています。基本的に母はどんなプレゼントも喜ぶ人で、物欲も強く、贈り物を選ぶのには余り困りませんでした。服や帽子やバッグ、スカーフ、アクセサリー類は特に好きで、事実そう言うアイテムはイギリスでも比較的選び易く&送り易い為、今まで何度贈ったか知れません。しかし、母は既にそれらを、姉から贈られた物も含めて山のように持っている訳で、これ以上物を増やさせる事に、私は返って罪悪感を持っていました。母は元々整理整頓が全く出来ない人で、持ち物の管理状態はすこぶる悪く、勿論贈り物を全て使いこなしている処かきちんと保管している訳がなく、更に記憶力も悪く(:高齢のせいだけではなく)、誰から何を貰ったかなんてほとんど憶えていません。私が昔贈った結構高価だったネックレスを「これ、気に入ったなら上げようか?安物だけど」などと自分に見せる日にゃあ、もう母に贈り物をする必要はないんじゃないかと思っていました。実際に大の甘党の父には、ずっと前から毎回ベルギー・チョコを贈っていますし、伯母はこれ以上物を増やしたくないので、姉夫婦には自ら消え物を送ってくれと頼んでいるそうです。しかし消え物と言っても、イギリスで日本人の口に合う食べ物は余りなく、更に暑い季節には、英国の定番菓子のチョコやファッジは溶けるので発送出来ません。必然的にビスケット系に片寄りますが、重量は半端ない為、実は布類やアクセサリーより返って送料は掛かるのが厄介です。結局今回は缶入りのショートブレッドを送りましたが、その直前にフリマで母の大好きな帆船モチーフのブローチを見付け、これ位なら罪にならないかもと同封しました。

白銀色の台座に、小さな無色透明のみのラインストーンがびっしり嵌め込まれた、夏のマリン・スタイルにも相応しい雰囲気の爽やかなブローチです。帆を張るマストやロープをツイストで表現している所も少しだけ凝っていて、全体的にキラキラ輝くのを増しています。

母の物をこれ以上増やしていはいけないと思う反面、あと一体何回母に贈り物が出来るのだろうかと考えると、少しでも喜ぶ物を贈りたいと思う気持ちもまた捨て切れません。


 

2022/07/23

製粉会社の料理教本

 

「早起き鳥」システムで早めに出掛けたフリーマーケットでは、収穫を結構どっさり得ましたが、最後の最後の方でこの古い料理本を買いました。値段は、20ペンスだったと思います。

McDougall’sと言う製粉会社で出していた薄い小冊子で、サイズはB6程度。表紙のユルい可愛さから、最初は子供向けかと思いました。しかし中身を確認すると、本格的でちゃんと大人用です。製粉会社だから基本的に粉もんのレシピのみが紹介されている訳ですが、これはその中でもペストリー (パイ)作りの基礎の学び方です。

中面もフルカラーで、文章とイラストのみで写真はありません。このイラストがひたすら真面目で実務的なだけなのですが、50年代らしいタッチで可愛いのです。

表紙の裏なんて、そのままコピーして蔵書票に利用したい可愛さ。

描かれている食器が、コーニッシュ・ウェアっぽい青いストライプなのも、イギリスらしくてお洒落だし。


イギリス人はペストリーが大好きで、デザートやお茶菓子向けの甘系も勿論あれば、食事や軽食になるしょっぱ系も割と多くあります。

イギリスの御総菜パン代表、ソーセージ・ロール。市販されている物は、大抵肉の質がすこぶる怪しい上に、油ぎっていて食べる気が起こりませんが、そうか自分で作れば良いんだ。

ストークの販売促進レシピ本は、イラストは可愛くとも、マーガリンのメーカーなだけに、全ての料理にバターの代わりにマーガリンが使用されていて正直不味そうです。しかしこの本に掲載されているレシピは、イギリスの昔の料理本にしては、概ね結構美味しそうだと思いました。