2025/05/12

形見のスイス製の懐中時計

 

三月に訪れたArdingly アーディングリーのアンティーク・フェアでは、いつも通りプレゼント用や自分達の趣味のアイテムを探すだけでなく、もう一つちょっと変わった目的がありました。フィンランド人の義母の祖父(P太にとって曾祖父)の持ち物だったと言う、アンティークの懐中時計を鑑定して貰う事です。 

自分達でもネットである程度調べる事は出来ますが、丁度アンティーク・フェアへ行く直前だったし嵩張る物でもないので、義母から預かってフェアに持って行く事にしました。

P太が何度か購入した事のある銀器商の店主は、一銭にもならないのに鑑定を快く引き受けてくれました。手際良く裏蓋を開けて拡大鏡でじっくり観察し、19世紀中頃のスイスのメーカーで銀製、相場価格は200ポンド(38千円)位だろうと判定しました。

未だ稼働し状態は良く、文字盤や針の意匠は繊細で美しく、懐中時計としては中々良い製品だと、店主は嬉しそうに話していました。やはりこう言う商売を長く続けている人は、本当に商品を愛しているのだと思います。

義母から、非常に愛情深かった父方の祖母の話は何度か聞きましたが、祖父の話は一度も聞いた事がありません。もしかしたら、義母が物心付く前に、既に故人だったのかも知れません。

義母の話に寄ると、父方の家系は子沢山の貧しい労働者階級だったらしいのですが、いつも家にダンテの神曲の本が在ったり、こんな当時としては中々贅沢な時計を持っていたり、祖父が存命中はそれなりに暮らしぶりは悪くなかったのかも知れません。この懐中時計は行く行くはP太に受け継がれると、義母は話していました。

 

 

 




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